略縁起

行基菩薩開山、慈覚大師中興の古刹

黒石寺は、天平元年(729)行基菩薩の開山で、東光山薬師寺と称したが、延暦年間の蝦夷征伐の戦火にあい寺は焼失した。大同2年(807)飛騨(今の岐阜県)の工匠が方七間の薬師堂を再建し、嘉祥2年(849)第3代天台座主慈覚大師円仁が復興し妙見山黒石寺と改名した、天台宗の古刹である。盛事には、伽藍48宇を数えたといわれる黒石寺も、弘長元年(1261)の野火、天正18年(1590)の兵火、そして天保11年(1840)の祭火、更には明治14年(1881)と火災にあい、伽藍の一切を焼失し、現在の本堂と庫裏は、明治17年(1884)に再建されたものである。本尊は、薬師如来坐像で、胎内に貞観四年(862)の造像銘があり、古代東北の仏教信仰を伝える貴重な作例である。また、「黒石寺蘇民祭」は、東北地方への蘇民信仰の伝播を伺わせる祭りで、古代の姿を今に伝える貴重な民族的遺産である。

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